トンマナはWebデザインのキモ|具体例や心理学も紹介!

Webデザインにおいて、トンマナ設定は非常に重要です。カラー、画像配置、レイアウト、フォントなど、様々な要素がトンマナの表現に影響します。

ペルソナを用いたトンマナ設定やコンセプトを理解した上での設定方法など、具体的な手法を紹介しながら、それぞれのポイントを詳しく解説します。

さらに、色彩心理学や認知心理学などの心理学的知見を取り入れ、Webサイト制作においてトンマナ設定をより適切に行うためのヒントを提供します。

1. トンマナとは?

Webデザインにおけるトンマナとは、「トーン(tone)」と「マナー(manner)」を略した呼び方で、単なる色調やデザインの一貫性を指すだけでなく、ユーザーに対するコンセプトやブランドイメージを統一的に表現するためのルールでもあります。

トンマナの設定によって、企業やサービスのイメージをユーザーに明確に伝えることができ、ユーザーにとって直感的で快適な利用体験を提供することができます。具体的には、女性向けファッション通販サイトでは、女性に好まれるカラーを使ったり、商品写真のレイアウトやフォントの統一性を保ったりすることで、統一感を出すことが重要です。

また、地方自治体の観光サイトでは、その地域特有の文化や風習、自然などを活かしたデザインを作成することで、地域の魅力を最大限に引き出すことができます。

トンマナ設定は、Webデザインの中でも特に重要な要素であり、設定方法や注意点を把握することが必要です。正確なトンマナ設定には、これらの細かい要素にも注意を払うことが欠かせません。

2. 身近な事例から学ぶトンマナの重要性

ここでは、具体的な事例を挙げて、トンマナの重要性をご説明します。

2-1. 女性向けファッション通販サイトのトンマナ

女性向けファッション通販サイトにおけるトンマナ設定について、より具体的に説明します。商品の写真には、モデルが着用した際のシルエットや素材感、拡大可能なアングルを用意することで、女性ユーザーにとって商品の魅力がより伝わりやすくなります。

また、色彩については、優しい印象を与えるピンクやライトブルー、爽やかなイメージのグリーンなど、女性に好まれる色を選定することが重要です。さらに、商品ごとに背景色を設けることで、商品の特徴が際立ちやすくなります。

サイトのレイアウトにおいては、商品をカテゴリーごとに分類し、アウターやアクセサリーなど、よく一緒に購入される商品は同じカテゴリー内にまとめることで、女性ユーザーが求める商品にスムーズに辿り着けるようになります。

購入手続きにおいては、クレジットカード決済や電子決済、コンビニ決済など、女性にとって利便性の高い支払い方法を用意することが大切です。女性向けファッション通販サイトにおけるトンマナ設定は、女性のライフスタイルや感性を反映させることで、より快適で利便性の高いサイトを提供することができます。

WEBデザインのトンマナ事例(レディス通販サイト)

WEBデザインのトンマナ事例(レディス通販サイト)

2-2. 地方自治体の観光サイトのトンマナ

地方自治体が観光サイトを制作する際には、その地域特有の魅力を最大限に引き出すことが必要不可欠です。

例えば、京都市の観光サイトでは、和の美しさを表現するために、落ち着いた色調を用いたデザインを採用しています。また、神奈川県の観光サイトでは、海に近い地域らしさを表現するために、ブルーグラデーションの配色を採用しています。

自然に親しめるようなアクティビティの情報を掲載する場合には、グリーン系の色調を多用することで、自然を感じられる雰囲気を作り出すことができます。

トンマナ設定には、地域特性を把握し、その特性を最大限に生かすことが大切です。また、地域固有の伝統や文化を取り入れることで、観光客に地域を知ってもらうきっかけを提供することができます。

さらに、地域の魅力を最大限に引き出すためには、写真やイラストのレイアウトなどにもトンマナを反映させることが重要です。観光客が訪れたいと思う魅力的なサイトを作成するためには、地域の特性やニーズを十分に把握し、トンマナを設定することが大切です。

WEBデザインのトンマナ事例(観光サイト)

WEBデザインのトンマナ事例(観光サイト)

2-3. フィットネスジムのウェブサイトのトンマナ

フィットネスジムのウェブサイトにおいて、デザイン面でのトンマナ設定も非常に重要です。例えば、ウェブサイトの色調には、健康や清潔感をイメージさせる明るめの色を使用することが一般的です。また、画像や図版は、トレーニングの様子や健康的な食事など、ターゲットにとって役立つ情報を提供するものを選ぶ必要があります。このように、デザイン要素をトンマナに沿ったものに設定することで、ウェブサイトの印象を良くし、ターゲットユーザーに訴求することができます。

また、フィットネスジムの場合は、Webサイトから直接予約や問い合わせができるようにすることも重要です。そのためには、ユーザーがスムーズに手続きを行えるようなインターフェースを設計する必要があります。例えば、簡単なフォームを用意して必要事項を入力するだけで予約が完了できるようにするなど、ユーザーにとってわかりやすい操作方法を提供することが大切です。

WEBデザインのトンマナ事例(フィットネスジム)

WEBデザインのトンマナ事例(フィットネスジム)

デザイン面でのトンマナ設定は、ユーザーにとって快適な利用体験を提供する上で欠かせないものです。Webデザイナーとしては、ターゲットユーザーのニーズに応えるデザインを追求することが求められます。企業のWeb担当者の皆様には、正確なトンマナ設定の重要性をご理解いただき、Webサイトの改善につなげていただきたいと思います。

3. ユーザーと製作者の両面から見るトンマナの重要性

Webデザインにおいて、正確なトンマナ設定はユーザーに快適な利用体験を提供する上で欠かせません。ユーザーはサイトを訪れた時、すぐに自分が求める情報を見つけたいと考えます。そのため、サイト内の情報が整理されていること、見やすいレイアウトであること、独自のデザインや色彩が用いられていることなどが、ユーザーにとって重要です。

一方、製作者側から見ると、正確なトンマナ設定は、サイトの差別化やブランディングに大きな影響を与えます。トンマナを明確に設定することで、ユーザーに快適な利用体験を提供するだけでなく、企業のイメージ向上や顧客獲得にもつながるのです。

3-1. ユーザーサイドにおけるトンマナの重要性

ユーザーにとって、トンマナはサイトの使い勝手や掲載されている情報を理解する上で非常に重要です。例えば、女性向けファッション通販サイトでは、商品の写真やカラーリング、レイアウトに女性に好まれるトンマナを反映させることが大切です。また、地方自治体が観光サイトを制作する場合には、その地域に特有の文化や風習、自然などをトンマナとして設定し、観光客に訪れたいと思わせる魅力的なサイトを作成することが大切です。

ユーザーにとってのトンマナは、サイトの使い勝手だけでなく、企業やブランドのイメージや価値観とも密接に関係しています。より明確なトンマナ設定によって、ユーザーにとって魅力的なサイトを作り出し、企業の信頼性や魅力を高めることができます。

3-2. 製作者サイドにおけるトンマナの重要性

Webサイトを制作する際には、ユーザーの目線でトンマナを設定することが重要ですが、同時に製作者側から見たトンマナの設定も欠かせません。

まず、製作者側から見たトンマナの設定は、Webサイト制作の方針を明確にすることが目的となります。具体的には、制作するWebサイトの目的やコンセプトを明確にすることができます。これによって、Webサイトの制作プロセスがスムーズに進み、クオリティの高いサイトを制作することができます。

また、Webサイトを制作する際には、デザイナーやエンジニアなど複数のスタッフが関わることが一般的です。製作者側から見たトンマナの設定が明確であれば、スタッフ間での意思疎通がスムーズになり、作業の進捗管理も容易になります。

製作者側から見たトンマナの設定が明確であれば、デザイナーが自己表現する余地が生まれ、Webサイトに個性が出ることが期待できます。

以上のように、製作者側から見たトンマナの設定は、Webサイト制作の方針を明確にし、スタッフ間での意思疎通をスムーズにし、個性的なWebサイトの制作にもつながる重要な要素と言えます。

4. 正確なトンマナ設定のための方法

Webデザイナーとして、Webサイトを制作する際には、どのようなトンマナを設定するかが重要です。トンマナは、企業のブランドイメージやコンセプトを伝えるために必要な要素であり、正確に設定することが求められます。ここでは、正確なトンマナ設定のための方法について解説します。

4-1. ペルソナを用いたトンマナの設定

まず、トンマナを設定する前に、ペルソナを作成することが大切です。ペルソナとは、企業のターゲット層を想定した架空の人物像のことです。ペルソナを作成することで、ターゲット層のニーズや関心事を把握し、Webサイト制作に反映させることができます。

ペルソナを用いたトンマナの設定では、ペルソナが求めるトーンやマナーを把握し、Webサイトに反映させます。例えば、若年層向けのWebサイトでは、カジュアルでポップなトーンが求められる場合があります。一方、高齢者向けのWebサイトでは、丁寧で親切なトーンが必要です。

ペルソナを用いたトンマナの設定には、ターゲット層のニーズを正確に把握することが重要です。ペルソナを作成する際には、ターゲット層の年齢層や性別、職業、ライフスタイルなどを考慮し、リアルな人物像をイメージするようにしましょう。

ペルソナについては下記の記事で詳しく解説しています。ぜひ、こちらも合わせてご覧ください。

顧客に寄り添うWebデザイン|ペルソナの作り方を解説!

4-2. コンセプトを理解した上でのトンマナ設定

もう一つのトンマナ設定の方法として、コンセプトを理解した上でのトンマナ設定があります。コンセプトとは、企業のブランドイメージやコンセプトを表すキーワードのことです。コンセプトを把握することで、Webサイト制作において求められるトンマナを決定することができます。

例えば、エコロジーに取り組む企業のWebサイトでは、環境にやさしいトーンが求められます。この場合、コンセプトとして「エコロジー」「環境保護」などのキーワードから、トンマナを決定することができます。

WEBデザインのトンマナ事例(エコロジー)

コンセプトを理解した上でのトンマナ設定には、企業のブランドイメージを正確に表現することが重要です。コンセプトに沿ったトンマナを設定することで、ターゲット層に対して企業のブランドイメージを伝えることができます。

Webサイト制作においては、ペルソナのニーズと企業のブランドイメージを融合させたトンマナ設定が不可欠です。ペルソナを用いたトンマナの設定では、ターゲット層のニーズを正確に把握し、リアルな人物像をイメージすることが重要です。一方、コンセプトを理解した上でのトンマナ設定では、企業のブランドイメージを正確に表現することが求められます。どちらの方法も、ターゲット層に対して企業のブランドイメージを伝えるために欠かせないものです。

5. デザインにおけるトンマナ設定のポイント

ここまでお伝えしてきたように、Webデザインにおいて、トンマナ設定は非常に重要な要素であり、Webサイトの印象を大きく左右する要素の1つです。ここでは、デザインにおけるトンマナ設定のポイントについて解説します。

5-1. カラーの設定

カラーは、Webデザインにおいて非常に重要な要素の1つです。例えば、青色は安心感や信頼感を表現し、赤色はエネルギーや情熱を表現することができます。

しかし、カラーにはそれぞれ持つ意味合いがあり、人々の感情や行動に影響を与えることが知られています。これを色彩心理学といいます。色彩心理学を活用することで、Webサイトのカラー設定において、より効果的なトンマナ表現を実現することができます。

例えば、エンターテインメント系のWebサイトでは、赤やオレンジなどの明るい色合いが用いられることが多く、エネルギッシュで楽しい印象を与えます。一方、医療系のWebサイトでは、青や緑などの冷静な色合いが用いられ、安心感や信頼感を表現することが多いです。

WEBデザインのトンマナ事例(赤と青)

また、カラーの組み合わせによっても、トンマナの表現が変わってきます。例えば、白と青の組み合わせは清潔感や冷静さを表現し、黒と金色の組み合わせは高級感や豪華さを表現することができます。

WEBデザインのトンマナ事例(色の組み合わせ)

さらに、カラーの明度や彩度の調整によっても、トンマナの表現を変えることができます。例えば、彩度を高くすることで、鮮やかな印象を与えることができます。一方、明度を低くすることで、落ち着いた印象を与えることができます。

WEBデザインのトンマナ事例(彩度の高低)

カラーの設定においては、企業のコンセプトやブランドイメージを踏まえたトンマナの表現が求められます。また、色彩心理学を参考に、カラーの持つ意味合いを理解することも重要です。これらの知識を活用することで、より効果的なトンマナ表現を実現することができます。

5-2. 画像配置のトンマナ設定

画像配置においても、トンマナの表現が求められます。画像の配置場所や大きさ、色彩などが、Webサイトの印象を左右します。

画像配置におけるトンマナの設定には、認知心理学的な特徴を考慮することが重要です。人間の認知心理学的な特徴として、左から右に情報を処理する傾向があることが挙げられます。

このため、左側に配置された情報はより親しみやすく、柔らかい印象を与えることができます。一方、右側に配置された情報は、左側と比べて知的さやシャープさを強調する効果があります。

WEBデザインのトンマナ事例(配置例)

また、画像の大きさや色彩も、Webサイトの印象に影響を与えます。例えば、大きな画像は目立ちやすく、インパクトが強い印象を与えることができます。一方、小さな画像は控えめな印象を与えることができます。

また、画像選びの際には色彩も重要な要素になります。先述したように色彩心理学を参考にすることで、印象を調整することができます。例えば、青色は安心感や信頼感を表現し、赤色はエネルギーや情熱を表現することができます。

このように、画像配置においては、画像の配置場所、大きさ、色彩などの要素を組み合わせて、Webサイトのトンマナを表現することが重要です。ただし、過剰に画像を使用することは逆効果になることもあるため、適切なバランスを保ちつつ、効果的な画像配置を行うことが求められます。

5-3. 心理を意識したレイアウトのトンマナ設定

レイアウトも、トンマナの表現に大きな影響を与えます。特に、心理学に基づいたレイアウト設計はWebデザインにおいて重要なポイントの1つです。

例えば、視線誘導によって重要な情報を目立たせることができます。また、対象とするターゲット層の性別や年齢、嗜好性などを考慮してレイアウト設計を行うことで、トンマナの表現をより正確にすることができます。

WEBデザインのトンマナ事例(視線誘導)

レイアウト設計においては、グリッドシステム(グリッドデザイン、グリッドレイアウト)や黄金比などのデザイン理論を活用することも重要です。これらの理論を用いることで、バランスの取れたレイアウトを実現することができます。

5-4. フォントのトンマナ設定

フォントもWebデザインにおいて重要な要素の1つです。フォントの種類や太さ、スタイルなどによって、Webサイトの印象を左右します。例えば、ゴシック体はシャープな印象を与え、明朝体は落ち着いた印象を与えることができます。

WEBデザインのトンマナ事例(フォント)

WEBデザインのトンマナ事例(フォント)

フォントのトンマナ設定においては、企業のコンセプトやブランドイメージに合わせたフォントの選択が重要です。例えば、落ち着いた雰囲気を求める企業であれば、明朝体のフォントを使用することが適切です。また、カジュアルな印象を求める企業であれば、ゴシック体のフォントを使用することが適切です。

さらに、フォントの太さやスタイルも、Webサイトの印象を左右します。例えば、太めのゴシック体は力強い印象を与え、細めのゴシック体はスマートでモダンな印象を与えることができます。また、手書き風のフォントはカジュアルでアットホームな印象を与えることができます。

一方、明朝体の場合は、書体によって印象が異なります。例えば、ヒラギノ明朝体は落ち着いた印象を与える一方、角ゴシック体に近いMS明朝体は、力強さや知的さを表現することができます。また、太めの明朝体は力強い印象を与え、細めの明朝体は上品で洗練された印象を与えることができます。

フォントの選択によって、Webサイトの印象が大きく変わることから、フォント選びには慎重に取り組む必要があります。

5-5. 余白の与え方とトンマナ設定

Webデザインにおいて、余白の与え方もトンマナの表現に大きな影響を与えます。余白が十分に与えられていないWebサイトは、見づらく疲れやすい印象を与えることがあります。また、余白の量や配分によって、Webサイトのトンマナを表現することもできます。

余白の与え方においては、コンテンツの性質やデザイン理論を踏まえた設計が求められます。例えば、スマートフォン向けWebサイトでは、余白を十分に与えることで、視認性を高めることができます。また、ターゲット層の性別や年齢、嗜好性に合わせた余白の配分も求められます。例えば、若い世代をターゲットにしたWebサイトでは、余白を少なくすることで、ダイナミックでエネルギッシュな印象を与えることができます。

6. まとめ

Webデザインにおいて、トンマナ設定は非常に重要な要素の1つです。カラーの設定、画像配置、レイアウト、フォント、余白の与え方など、様々な要素においてトンマナを表現することが求められます。トンマナの表現には、企業のコンセプトやブランドイメージ、ターゲット層の性別や年齢、嗜好性などを踏まえた正確な設計が必要です。これらの要素を総合的に考慮し、Webサイトのトンマナを表現することで、ターゲット層に対して魅力的で効果的なWebサイトを制作することができます。

703designでは、企業のブランドイメージとターゲット層・ペルソナを意識してデザインのトンマナを決めています。Webサイトや広告クリエイティブの訴求力を高めたいという方は、ぜひ一度、お問合せください。

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