Webサイトデザインの裏側|制作フローを詳しく解説!
Webサイトは現代のビジネスにおいて、欠かせない重要な存在となっています。しかし、一からWebサイトを制作することは簡単なことではありません。本記事では、Webサイト制作の基本的なフローをお伝えします。
基本的なフローをイメージしておくことで、依頼側にとっても、効果的・効率的なWebサイト制作を進めやすくなります。
Webサイト制作の基本的なフローとして、
ステップ1:プロジェクトの全体像を設計する
ステップ2:Webサイトの企画と設計を行う
ステップ3:ザインの企画と制作を行う
ステップ4:コーディングとシステム開発を行う
ステップ5:Webサイトを公開する
の5つのステップに分けて説明していきます。
Webサイト制作をする上で、これらのステップをしっかりと理解し、進めていくことが非常に重要です。
それでは、各ステップにおける作業内容や注意点を詳しく解説していきます。
ステップ1:プロジェクト全体像の設計
Webサイト制作において、プロジェクト全体像を設計するステップは非常に重要です。このステップでは、Webサイトの目的、ゴール、ターゲット層、競合他社の分析、コンセプトの決定などを行い、Webサイト制作の方向性を確定させます。
プロジェクトの全体像を設計することで、Webサイトがビジネスの中で果たすべき役割が明確になります。
1-1. Webサイト制作の目的を明確にする
Webサイト制作において目的を明確にすることは非常に重要です。例えば、Webサイトを制作する目的として、新規顧客の獲得、既存顧客の維持、ブランドイメージの向上、セールスの促進などがあります。それぞれの目的に応じたWebサイトの制作が求められます。
例えば、新規顧客の獲得を目的とする場合、ターゲット層に合わせた情報の提供や、ユーザーが興味を持つコンテンツの充実などが必要です。また、既存顧客の維持を目的とする場合、アフターケアやコミュニケーション機能の強化などが有効です。さらに、ブランドイメージの向上を目的とする場合、ブランドカラーやロゴなどのデザイン面でのアピールが必要です。
目的を明確にすることで、Webサイト制作の方向性が明確になり、スムーズな制作が可能になります。また、目的を達成するための具体的なアクションや、成果の評価基準を設定することも重要です。
1-2. ターゲットとペルソナを設計する
Webサイト制作において、ターゲット層やペルソナを設定することは非常に重要です。なぜなら、ターゲット層やペルソナに応じたコンテンツやデザイン、機能を用意することで、ユーザーの興味を引きつけ、訪問者数や売上を増加させることができるからです。
例えば、オンラインショップを制作する場合、ターゲット層が20代女性であるとしたら、可愛らしいデザインやトレンドアイテムを紹介するコンテンツを用意することが重要です。
ペルソナとは、仮想的なキャラクターを設定し、そのキャラクターがWebサイトを利用するイメージを具体的に描いたものです。例えば、健康食品を扱うWebサイトの場合、ペルソナを「40代主婦で、健康に興味があり、忙しい毎日の中で栄養バランスの良い食事を意識している人」と設定することができます。このペルソナを意識したコンテンツを用意することで、ペルソナのニーズに合った情報を提供し、訪問者数や売上を増加させることができます。
ペルソナについて詳しく知りたい方は下記の記事も併せてご覧ください。
以上のように、ターゲット層やペルソナを設定することで、Webサイトの訪問者数や売上を増やすことができます。具体的なWebサイトの事例やペルソナ像を設定し、設定したターゲット層やペルソナに合わせたWebサイトのデザインやコンテンツ、集客施策などを実施することが、Webサイト制作において非常に重要です。
1-3. 調査・分析を実施する
Webサイト制作において、競合他社の分析やユーザーのニーズを把握することは欠かせません。調査・分析を実施することで、より効果的なWebサイト制作が可能になります。
まずは、「3C分析」に取り組むことが大切です。3C分析とは、「Company(自社)」、「Competitors(競合他社)」、「Customers(顧客)」について分析する手法です。自社と競合他社の強み・弱みを把握し、市場のトレンドや顧客のニーズを調査することで、自社がどのようなWebサイトを制作するべきかが明確になります。
また、調査・分析の中で「バリュープロポジション」を定めることも重要です。バリュープロポジションとは、自社が提供するサービスや商品の独自性や付加価値を表すもので、Webサイト制作においては、どのようなコンセプトでWebサイトを制作するべきかを決めるための指標になります。
例えば、ファッション系ECサイトの場合、競合他社との差別化を図るために、自社が提供する商品の品質や価格、配送サービスなどを分析し、バリュープロポジションを明確にしたうえでデザインに落とし込むことが重要です。
また、ターゲット層に合わせたデザインやコンテンツも大切です。例えば、ファッション系ECサイトのターゲットが若年層であれば、ポップでカラフルなデザインや、SNS連携機能などが必要になります。
このように、調査・分析を通じてターゲット層のニーズや競合他社との差別化点を把握し、バリュープロポジションを明確にすることで、より効果的なWebサイト制作が可能になります。
1-4.Webサイトのコンセプトを決める
Webサイト制作において、目的の明確化、ターゲットとペルソナの設計、調査・分析を行った上で、コンセプト設計をすることが重要です。コンセプトは、以降のステップでも柱となるもので、非常に重要な役割を果たします。
制作サイドと依頼者サイドは、コンセプトを共有し、プロジェクトを進めていく必要があります。コンセプトの共有ができないと、方針がブレて効率的なプロジェクト推進や効果的なWebサイトの制作が困難になります。また、制作サイドと依頼サイドで認識の違いが生まれ、必要以上に修正回数が増え、スケジュールの遅れが発生するなどのトラブルにもつながりかねません。
ステップ1でプロジェクトの全体像を設計し、コンセプトを決めることで、Webサイト制作の方向性が定まり、より効果的なWebサイトを制作することができます。
ステップ2:Webサイト企画と設計
Webサイト制作におけるステップ2では、具体的なWebサイトの企画と設計を行います。ここでは、ユーザーにとって使いやすく魅力的なWebサイトを作るために、UXデザインやコンテンツ企画、サイト構造やページ構造の設計、システムの設計などが重要なポイントです。
2-1. UXデザインを行う
UXデザインは、ユーザーエクスペリエンスを最大化するために、Webサイトの使い勝手やデザインを考慮した設計を行うことです。具体的には、ユーザーがWebサイトを訪れた際にどのような目的を持っているか、どのような行動をするかなどを分析し、ユーザビリティを高めるデザインを考えます。
そのためには、ユーザーの行動や心理を分析する必要があります。カスタマージャーニーやユーザーシナリオを作成し、ユーザーの立場になってサイトを利用する際のストーリーを想定することで、ユーザーのニーズを把握し、UXデザインの方向性を決定します。
また、ユーザビリティを高めるために、メニューやナビゲーションの配置、ページのレイアウト、コンテンツの配置なども重要な要素となります。例えば、ユーザーが簡単に求める情報にアクセスできるように、目的に応じた情報を分かりやすく配置することが必要です。そのためには、ページ間の移動や検索機能なども適切に設計する必要があります。
以上のように、UXデザインには、ユーザーの立場に立ってサイトを設計することが求められます。ユーザーのニーズを把握するために、カスタマージャーニーやユーザーシナリオを活用し、ユーザービリティを高めるために、メニューやナビゲーション、ページレイアウト、コンテンツ配置などを適切に設計する必要があります。
2-2. コンテンツ企画を行う
Webサイトに掲載するコンテンツを企画することも、Webサイト制作において重要なステップです。
ユーザーが求める情報や、企業の理念や価値観、製品やサービスの特徴などを考慮し、コンテンツの種類や量、表現方法を検討します。
例えば、飲食店のWebサイトでは、メニューの掲載や店舗情報、おすすめ料理の紹介などが必要になります。また、旅行会社のWebサイトでは、ツアー情報や観光スポットの紹介、現地の気候や文化に関する情報が必要です。
コンテンツの表現方法についても、Webサイトのテーマやターゲット層に応じた配慮が必要です。例えば、ファッションブランドのWebサイトでは、商品写真やショーの映像など、視覚的なコンテンツを中心に設計することが一般的です。また、BtoBのWebサイトでは、技術情報や製品カタログなど、専門的な内容を分かりやすく伝えることが求められます。
コンテンツ企画には、SEOの観点から、目標キーワードの設定やタイトル、ディスクリプション、見出しの設計なども必要です。検索エンジンで流入やコンバージョンにつながるキーワードを調べ、それらのキーワードをタイトルや見出しに取り入れることで、アクセスアップが期待できます。
以上のように、Webサイトに掲載するコンテンツを企画することで、Webサイトの目的達成につながるコンテンツが作成されます。コンテンツ企画は、Webサイト制作において欠かせないステップの一つであることが分かります。
2-3. サイト構造を設計する
サイト構造を設計することは、ユーザビリティを高めるために欠かせません。サイト構造とは、Webサイトのページ構造を含めた全体像のことです。ユーザーが求める情報に簡単にアクセスできるように、コンテンツの配置やページの階層構造を設計します。
また、サイトマップの作成やナビゲーションを設計し、ユーザーがWebサイト内をスムーズに移動できるように工夫します。サイト構造を設計する際には、ページの役割や関連性を明確にし、ユーザーが欲しい情報に迅速にアクセスできるように配慮することが大切です。
また、ページ数が多い場合には、サイト内の検索機能を充実させるなど、ユーザーが迷わず目的の情報に辿り着けるように工夫することも必要です。
2-4. ページ構造を設計する-ワイヤーフレームの制作
Webサイト企画・設計において、ページ構造を設計することは非常に重要です。ページ構造を設計することで、ユーザーがスムーズに情報を取得できるようにすることができます。その際に使用されるのが、「ワイヤーフレーム」と呼ばれる設計書です。
ワイヤーフレームは、Webサイトのページ構造やコンテンツ配置、ナビゲーションなどを示す、簡単な図面のようなものです。このワイヤーフレームを作成することで、Webサイトの構成やデザインについて、クライアントとの意見交換を行うことができます。
ワイヤーフレームは、簡単に作成できるツールが多数あります。代表的なものとしては、Adobe XDやSketchなどが挙げられます。これらのツールを使用することで、直感的にワイヤーフレームを作成することができます。
ページ構造を設計する際には、以下のような点に注意する必要があります。
・ユーザーが必要とする情報を、簡単に見つけられるようにすること
・ナビゲーションを分かりやすくすること
・ページ内での情報の優先度を考えること
・コンテンツの配置やフォントサイズ、レイアウトなどのバランスを考えること
これらのポイントを踏まえた上で、ワイヤーフレームを作成し、クライアントとの意見交換を行いながら、ページ構造を決定していきます。ワイヤーフレームは、Webサイト制作において非常に重要な設計書のひとつであるため、しっかりと作成するようにしましょう。
2-5. システムの設計を行う
Webサイト制作において、システムの設計を行うことは非常に重要です。システムの設計によって、Webサイトの機能や動作が明確になり、スムーズな制作が可能になります。
システムの設計には、以下のような要素があります。
・必要な機能や機能の仕様を決める
・機能ごとに必要なデータやデータベースの設計
・ユーザーが使用する画面やページの設計
・Webサイトとデータベースの連携方法やデータの流れを決める
これらの要素を考慮し、システム設計の基本的な構造を作成します。この構造に基づいて、Webサイトのコーディングやシステム開発が進められます。
ステップ3:デザインの企画と制作
Webサイトの魅力を高め、訪問者数の増加やブランドイメージの向上に繋げるためにもデザインは重要です。ここでは、デザインの企画から制作までのステップについて解説していきます。
3-1. デザインコンセプトを考える
デザインコンセプトを決めるためには、Webサイトの目的やターゲット層、ブランドイメージなどを踏まえて、デザインの方向性を検討する必要があります。企業のコンセプトやブランディングの方針を把握し、そのイメージに合わせたデザインコンセプトを設定することが大切です。また、ターゲット層の嗜好や傾向を考慮し、訴求力のあるデザインを目指すことも必要です。
デザインコンセプトを決める際には、ユーザーが求める情報やコンテンツを提供するためのWebサイトの機能やレイアウト、色彩、フォントなどを含めた要素を検討します。デザインコンセプトは、Webサイトのデザインを制作するための方向性を示すものであり、デザインの細部まで決める必要はありません。
トンマナ(トーン&マナー)は設計しておくと良いでしょう。トンマナとは、Webサイトの雰囲気や印象を決めるために設定する、色彩やフォント、文章の表現などのデザイン要素のことです。
トンマナを設計しておくことで、Webサイト全体の一貫性を保ち、ユーザーに対して統一感のある印象を与えることができます。また、トンマナを決めることで、Webサイトにおけるブランディングの方向性を明確にすることもできます。
トンマナについては下記の記事で詳しく解説しています。ぜひ、併せてご覧ください。
3-2. 素材を準備する
次は、Webサイトのデザインに必要な素材を準備します。例えば、ロゴやアイコン、写真やイラストなどがあります。これらの素材は、Webサイトのイメージを決定する上で重要な役割を担っています。また、著作権に配慮した素材の選定や、画像の圧縮なども行う必要があります。
3-3. デザインカンプを制作する
デザインカンプとは、Webサイトのデザインを実際にイメージできるように作成した模擬画像のことです。デザインカンプを作成することで、制作するWebサイトの方向性が明確になり、デザインやレイアウトの修正や変更がしやすくなります。
また、制作サイドと依頼者サイドでデザインイメージを共有することができ、制作中にトラブルを回避することができます。
デザインカンプを制作する前に、デザインコンセプトやカラースキーム、フォントなどのデザインに関する指示書を用意します。デザインに必要な素材もあらかじめ準備しておくことが大切です。デザインカンプの制作には、Adobe PhotoshopやAdobe Illustratorなどのグラフィックツールを用いることが一般的です。
デザインカンプは、制作するWebサイトのデザインを実際にイメージできるため、依頼者からのフィードバックを受けながら修正や変更を加えていきます。また、制作サイドと依頼者サイドでデザインイメージを共有することができ、制作中のトラブルを回避することができます。
Webサイトのデザインは、ユーザーにとって非常に重要な要素の一つです。デザインに配慮することで、ユーザーがWebサイトに滞在する時間を増やし、より快適なユーザーエクスペリエンスを提供することができます。Webサイト制作においては、デザインの企画と制作も重要なステップの一つであるため、注意深く取り組むことが大切です。
ステップ4:コーディングとシステム開発
Webサイトのデザインができたら、次は実際にコーディングやシステム開発を行います。このステップでは、デザインコンセプトやサイト構造を基に、Webサイトのフロントエンドやバックエンドの実装を行い、完成度の高いWebサイトを作り上げます。
4-1. フロントエンドを実装する
フロントエンドとは、Webサイトのデザインをブラウザ上に表示するための技術を指します。HTML、CSS、JavaScriptなどを使って、Webページの構造やデザインを実装します。
デザインカンプをもとに、必要な画像素材やコードを書き、Webサイトを完成させます。また、レスポンシブデザインに対応させ、PC、スマートフォンなどのデバイスに応じて表示を最適化することも重要です。
フロントエンドの実装がしっかりと行われることで、ユーザーにとって快適なWebサイトの閲覧環境を提供することができます。
4-2. バックエンド構築(サーバーサイド構築)を行う
バックエンドとは、Webサイトの裏側で動くサーバー側のプログラムのことです。ユーザーからのリクエストを受け取り、データのやりとりや処理を行います。
例えば、会員登録機能やお問い合わせフォームなど、ユーザーからの入力情報をデータベースに保存したり、処理したりするために必要な部分です。
バックエンドの構築には、PHPやRuby、Pythonなどのプログラミング言語を使用し、Webサイトの機能や要件に応じてプログラミングを行います。また、セキュリティに配慮し、不正アクセスや情報漏洩などの対策を行うことも大切です。
4-3. テストを実施する
Webサイトの完成後には、テストを実施することで不具合や問題点を洗い出し、修正を行います。テストは、機能テストやクロスブラウザテスト、ユーザビリティテストなど、目的に応じて行う必要があります。
機能テストでは、Webサイトの機能が正しく動作するかどうかを確認します。例えば、フォームが正しく動作するか、リンク先のページが正しく表示されるか、などを確認します。
クロスブラウザテストでは、複数のブラウザやデバイスでWebサイトを表示して、表示崩れや動作不良がないかどうかを確認します。
また、ユーザビリティテストでは、ユーザーにWebサイトを使ってもらい、使い勝手や操作性などの改善点を見つけ出します。
テスト結果に基づいて、修正を行い、再度テストを実施することで、Webサイトの品質を向上させていきます。
特に、ユーザビリティテストは、ユーザー目線でWebサイトを評価するため、Webサイトの改善点を正確に把握することができます。テスト結果を踏まえた改善を行うことで、ユーザーの利便性や満足度を高め、Webサイトの成果を最大化することができます。
ステップ5:Webサイトの公開
Webサイトの制作が完了したら、最後にWebサイトを公開します。Webサイトの公開方法には、FTPソフトを利用してサーバーにアップロードする方法や、Webサイトビルダーの機能を使って自動的に公開する方法があります。公開前には、必ず動作確認を行い、不具合や問題点がないかをチェックすることが大切です。
また、Webサイト公開後には、アクセス解析ツールを用いてアクセス数や流入元の解析を行い、Webサイトの改善につなげていきましょう。アクセス解析ツールを利用することで、Webサイトのユーザビリティやコンテンツの評価、SEO対策の有効性などを把握することができます。
Webサイトを公開した後も、定期的なメンテナンスが必要です。Webサイトのレスポンス時間やセキュリティの向上など、さまざまな面で改善を行うことで、ユーザーにとってより使いやすいWebサイトを維持することができます。
6. まとめ
Webデザインの制作フローは、UXデザインから始まり、コンテンツ企画、デザイン制作、コーディング、テスト、そしてWebサイトの公開までの一連の流れです。Webサイト制作には、様々な工程や要素があり、それらを適切に設計・実装することで、ユーザービリティやSEO効果の高いWebサイトを制作することができます。
Webデザイン制作には、Webデザイナーの技術や経験が不可欠ですが、同時に企業の理念や目的、ターゲット層のニーズなどを踏まえた戦略的な制作が求められます。Webデザインの制作フローを理解し、最適なWebサイトを制作することが、Webサイトを活用したビジネスにとっても重要な課題となっています。
このような一連の流れを知っておくことで、Web制作を外注する際にも効果的に依頼を進めることができるでしょう。